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世界4位の自動車メーカー「ステランティス」発足

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FCAとグループPSAの統合は2021年初頭に完了か。新グループの名称は ...

仏自動車大手グループPSAと欧米フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は16日、経営統合が完了したと発表した。統合新会社の「ステランティス」は販売台数で世界4位。規模拡大で電動化など変化の荒波を乗り越える狙いだが、中国をはじめとするアジアでの出遅れの挽回が当面の課題となる。

単純合算した世界販売台数は789万台(2019年)。米ゼネラル・モーターズ(GM)や韓国・現代自動車を上回る。売上高約1800億ユーロ(約22兆6千億円)、従業員約40万人の巨大な自動車会社が誕生した。

抱える14のブランドは、19年の世界販売首位だった独フォルクスワーゲン(VW)よりも多い。プジョー、フィアットなどの量販車ブランドに始まり、高級車から多目的スポーツ車(SUV)・ピックアップトラックまで品ぞろえは幅広い。

統合で50億ユーロ以上のコスト削減効果を見込む。このうち40%は車台の共通化などで実現する。わずか2つの車台で500万台以上をカバーする計画だ。ステランティスの最高経営責任者(CEO)に就く旧PSAのカルロス・タバレス氏が独オペルの買収後に効果を出した手法の再現を狙う。

旧PSAは欧州が強く、旧FCAは北米が強い。地域補完と主張するが、世界最大市場の中国を含むアジアは空白地だ。両社合計の19年のアジア大洋州の比率は4%未満。20年1~9月の世界販売台数は前年同月比33%減った。新型コロナウイルスからの急回復を見せた中国の恩恵を受けられなかったからだ。

旧PSAの幹部は「統合後、これほど多くのブランドを抱えるのは理にかなわない」と欧州メディアに述べた。ステランティス誕生に合わせて中国を筆頭にブランドの整理をする可能性もある。旧PSAが鳴り物入りで立ち上げたものの鳴かず飛ばずの高級車ブランド「DS」や、ジープやラムの陰に埋没している旧FCAの大衆車ブランド「クライスラー」が焦点となる。

18年から水面下で始まった統合交渉は、旧FCAによる仏ルノーへの統合提案など2度も破談の危機を迎えた。コロナや欧州委員会への妥協(トヨタ自動車に有利な条件での小型商用車供給)を経ても両社をゴールまで動かしたのは、100年に1度とも言われる業界激変への危機感だった。

旧FCAの最高級SUV「ジープ グランドワゴニア」は中国開拓のカギをにぎる(写真はAP)

ステランティスは電動化やつながるクルマなどの研究開発力を高める狙いだ。だが仏ボルドー大のベルナール・ジュリアン准教授は日本経済新聞の取材に「2社とも研究開発よりも、業績を良くすることを優先してきた企業だ。統合後も企業文化が変わるとは思えず、強い開発力を持てるとは考えにくい」と冷めた見方を示す。

かつてのダイムラー・クライスラーの失敗など、自動車メーカーの大型対等合併は成功例が少ない。ステランティスは工場を閉鎖しないことを明言しており、株主にはうるさ型の仏政府も座る。日産自動車時代のカルロス・ゴーン氏の右腕を経て世界4位の自動車会社のトップに上り詰めたタバレスCEOの実行力が試される。

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