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アップルに続き・・・あの百度がEVに参入

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中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は11日、中国民営自動車最大手の浙江吉利控股集団と戦略提携し、自動運転技術を搭載した電気自動車(EV)の製造販売に乗り出すと発表した。百度のEV新会社に吉利が出資する。8日には米アップルがEV参入に向けて自動車大手と交渉していることも明らかになるなど、自動車業界の構図や勢力図の変化が現実味を帯びてきたとの見方が出ている。

百度は2017年に自動運転技術の開発連合「アポロ」を立ち上げ、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)、米インテル、米エヌビディアなど世界の自動車大手や半導体大手も参加している。中国政府の支援も受けており、中国の自動運転技術の開発のけん引役となってきた。

19年からは一部の都市の限定した公道で、人が操作しない完全自動運転の「レベル4」の自動運転タクシーの試験運行を手掛けている。3~5年後には自社技術を搭載した自動運転車を100万台に増やす目標だ。

11日の発表によると、百度はネットとつながり、人工知能(AI)を活用して自動運転やドライバーらの利便性向上を実現する「スマートカー」の研究開発、設計、製造、販売、保守サービスを一貫して手掛ける新会社を設立する。百度が過半を出資し、独自ブランドの乗用車のEVを発売する。投入時期は明らかにしていない。

新会社の戦略的パートナーとして、吉利が出資する。吉利が開発したEV専用のプラットホーム(車台)を活用し、吉利の工場を利用するとみられる。吉利は提携を通じて百度のIT(情報技術)のノウハウを吸収するとともに、百度の独自ブランドの車両の製造を請け負うことで、規模のメリット拡大を目指す。

吉利は10年に米フォード・モーターからスウェーデンの高級車メーカー、ボルボ・カーを買収したほか、マレーシアの自動車大手「プロトン」に出資するなど世界展開を進めている。百度と吉利は協力関係を中国から世界に広げることも視野に入れるとみられる。

ガソリン車からEVへの転換や自動運転技術の進歩にあわせて、IT企業の自動車分野への進出が相次いでいる。中国の配車アプリ最大手、滴滴出行(ディディ)は昨年11月にライドシェア専用のEVを発表し、その製造は比亜迪(BYD)が請け負う。

韓国・現代自動車も8日、アップルと交渉していると明らかにした。アップルも過去の資料では社内で約5千人が自動運転技術の開発に携わっているとされ、公道走行実験などを展開してきた。米IT大手ではアルファベット傘下のウェイモも自動運転技術の実用化に向け、日産自動車や仏ルノーなどと提携している。

こうしたIT大手の動きが自動車業界で注目されるのは、自動運転技術のけん引役としてだけでなく、産業構造そのものが変わる可能性があるからだ。トヨタなどの自動車メーカーを頂点に、出資関係のある系列の部品メーカーらでピラミッドを形成し、設計から生産までを自動車メーカーが手掛けてきた垂直統合モデルが揺らぐとみられている。

アップルは主力のスマートフォン「iPhone」では設計や、スマホを窓口にした音楽サービスなどに専念。生産は台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業のような電子機器の受託製造サービス(EMS)企業に任せており、EVに参入する際も生産は外部委託するとみられる。

英LMCオートモーティブによると、30年の世界のEV販売台数は19年比9倍の1570万台になると見込まれている。アップルのような水平分業が進めば短期に自社ブランドのEVを増やしやすい。既に自動車業界では、EV大手となった米テスラが、トヨタやVWの約20分の1の販売台数の規模ながら、成長力への期待から時価総額では20年に自動車業界で首位に躍り出るなど、変化の兆しは出ている。

自動運転のAI開発に必要なソフトウエア人材を豊富に抱えるアップルや百度などの巨大テック企業は、ブランド力や資金力もある。自動車や部品メーカーは組めば車両や部品が増やせる利点がある一方、自社のEVと競合しかねないといった難しい判断を迫られることも想定される。

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