2020年ニュース

自動車業界も危機感 「生きるか死ぬか」GAFAとの戦い

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自動車メーカーも危機感!グーグル・アップル・アマゾン「ITの巨人」がクルマ業界に参入

GAFA vs トヨタ」? バーチャルとリアルの戦いの実相(THE PAGE ...

自動車のビックデータを狙うGAFA

GAFAとは、Google(グーグル)、Apple(アップル)、Facebook(フェイスブック)、そして(Amazon)アマゾンを指す。いわゆるITジャイアンツと呼ばれる、世界屈指の企業である。そんなGAFAと自動車産業との関係が深まってきているのは周知のとおりだ。
典型的なのは、トヨタの豊田章男社長がここ数年、いろいろな場面で使う「100年に一度の大変革期」という表現がある。歴史が比較的短い自動車産業にとっての100年に一度とは、自動車市場初という意味だ。 その上で、「勝つか負けるかではなく、生きるか死ぬか」という露骨な言葉をトヨタの正式ニュースリリースに社長の発言として引用するほど、トヨタは自動車産業が置かれている現状に対する危機感がある。
こうした意識を自動車メーカー各社が感じ始めたのは2013年頃からだ。
サンフランシスコで開催した自社開催の年次会議の中でアップルが「iOS イン・ザ・カー」という考えを世界初公開したのだ。iOSとは、iPhoneなどで使われているオペレーティング・システムのこと。基本的なソフトウエアであり、いわば運用する上での技術的なルールのようなものだ。これを、自動車の世界に持ち込むというのだから、自動車メーカー各社は驚いた。
持ち込む領域は、インフォテインメント。インフォメーションとエンターテインメントを融合させた言葉。つまりは、カーナビなど情報通信の分野だ。ここには、ユーザーの個人情報や、クルマの走行状態に関わる情報が保管されており、こうしたビックデータにアップルがアクセスできるようになるのだ。
このアップルの考え方の先にあったのが、のちにiPhoneとクルマのインフォテインメントを連動させた「CarPlay:カープレイ」であった。

データ分野においての業界進出が自動車メーカーにとっては驚異

一方、iPhoneと対等するアンドロイドフォンの事業基盤を持つグーグルは、車載器との連携に加えて、車載器自体のデータ活用についても言及した。それが、「アンドロイドオート」と「アンドロイド車載OS」だ。こうした流れと並行して、自動運転技術というハードウエアの分野にグーグルが本格参入。その後、ウェイモとして分社化された。 そのほか、自動運転では、インテルやエヌビディアなど半導体等の大手も画像認識技術の量産化をきっかけとした、データ管理ビジネスを展開。メルセデス・ベンツが2020年夏にエヌビディアと包括的な契約を結ぶなど、新たな展開も生まれている。 このように、トヨタなど自動車メーカーがITジャイアンツを脅威と見る最大の理由は、ハードウエアでのライバルになる可能性を懸念しているのではなく、自動車メーカーではデータ産業に引きずり込まれた時、GAFAに太刀打ちできないという危機感だ。

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「GAFAへの対抗」 トヨタ、ブロックチェーンでデータを「民主化」

トヨタ自動車が、ブロックチェーン技術の開発に本腰を入れる。2020年3月16日、同技術を活用した4種類の実証実験を進めていると発表した。クルマの利用履歴などをブロックチェーンに記録し、他社のデータと連携させて便利にする。いわゆる「データの民主化」(同社)を実現し、個人情報を大量に囲い込む「GAFA」に対抗する。 トヨタは2019年4月、グループで構成するブロックチェーンの研究開発組織「ブロックチェーン・ラボ」を立ち上げた。同年内に行った実証実験で「有用性を確認した」(同社)という。2020年度内に実サービスに近い形での実験を開始することに加えて、自社サービスの一部をブロックチェーン上で実行する考えだ。加えて、提携先を多く募って新しいサービスを模索する。

トヨタが考えるブロックチェーンの価値

「分散型台帳」とも呼ばれるブロックチェーンには、特定の事業者にデータを集中させない仕組みに加えて、改ざんを防ぎやすい特長がある。トヨタは「インターネット誕生以来の革命」と位置付けており、自動車業界に多くの利点をもたらすとみなす。さらにトヨタは、ブロックチェーンはデータを皆で共有して管理する「民主化」に役立つとみており、個人情報などを独占するGAFAへの対抗手段にもなると考えている。「データは特定の企業が所有するものではなく、皆で管理していくものだ」(トヨタの担当者)と訴えた。
ブロックチェーン・ラボに関わるトヨタの担当者は、「自社のデータセンターを利用してAPI経由でデータを共有する方法でも、ブロックチェーンを使う場合と似たことはできる。ただ、ブロックチェーン上で共有した瞬間に、できることが一気に増える印象だ」と語った。

「GAFAへの対抗」トヨタ×NTT連合

トヨタ自動車とNTTが2020年3月24日、AI・IoTなどを活用した街づくり「スマートシティー」の分野で資本・業務提携すると発表した。NTTの澤田純社長は、同日の記者会見で「(トヨタとNTTが提携するという構図は)GAFAの対抗になり得る」と語った。トヨタの豊田章男も「2社が手を組むことで、日本もなかなかやるなと思ってもらいたい。対抗はウエルカムだ」と意気込んだ。
今回の提携により、建物やクルマなどがネットでつながる都市の基盤「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築・運営していく。トヨタが静岡県裾野市に2021年に着工予定の実験都市「Woven City」(ウーブン・シティ)と、東京都港区品川エリア(品川駅前のNTT街区の一部)で先行導入し、世界各国の都市にも展開する計画だ。

スマートシティプラットフォームの概要

両社が目指すのは、グーグル、アップルなどのいわゆる「GAFA」や中国とは一線を画した、新しいデータ活用によるデジタル社会の仕組み作りだ。
あらゆるモノがネットにつながる時代には、そこから得られるデータの価値が格段に高まる。GAFAはデータを独占し、関連サービス企業がそこに参加せざるを得なくする巨大プラットフォーマーとして世界市場に君臨する。中国は政府が個人情報を把握し徹底的に管理する、官製プラットフォーマーとして、独自の道を突き進む。
両社はデータの活用について、人が中心にあることと、囲い込みではなくオープンな姿勢で協業するという基本的な理念を掲げ、今後賛同者を集めていく。澤田純NTT社長は「GAFA対抗という意識はある」とし、豊田章男トヨタ自動車社長は「NTTとトヨタが日本を背負うという気概でプラットフォームをつくる」と述べるなど、GAFAや中国が独占するデジタル社会の未来に危機感を持ち、対抗勢力として取り組む決意を示した。
今回の提携の強みは、自動車というモノがあることだ。GAFAはデジタル技術はあるが、リアルのモノの世界には弱い。今後さまざまな業種の企業が、思いに賛同して集結すれば、真のGAFA対抗軸となり得るかもしれない。

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