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トヨタのサブスク、申し込みが8倍に!若者が割安感を支持

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トヨタ自動車の車のサブスクリプション「KINTO(キント)」が好調だ。新型コロナウイルス禍で国内新車市場は落ち込んだが、2020年7~9月までに申込件数が約3700件と前年同期と比べて約8倍に伸びた。認知度の引き上げ策やプラン拡充が奏功し、割安感を重視する若年層を呼び込んだようだ。車のサブスクは他メーカーでも力を入れており、その市場が広がり始めている。パッソなら月額3万2780円から乗れる! トヨタのサブスクリプション ...

コロナ禍におけるKINTOの現状

トヨタが毎月定額の料金で一定期間新車に乗れる新サービス「キント・ワン」を始めたのは19年3月。同年7月から全国展開した。コンパクトカーの「パッソ」を7年間利用する場合、月額2万9590円からとなっており、「買うよりお得」をアピールする。
今年4月ごろ、コロナ感染拡大による自粛ムードにより申し込みが急減した。政府が緊急事態宣言を解除したこともあり、5月を底に徐々に回復し、6月以降の申込件数は毎月1千件を安定して超えている。
国内新車市場は19年10月の消費増税後の落ち込みやコロナにより、20年9月まで12カ月連続で前年割れが続いた。トヨタ車・レクサス車も同様に12カ月連続のマイナスだった。
キントは5月下旬、1台のトヨタ車・レクサス車に3年間乗り続ける従来プランに、5年間と7年間の新プランを追加した。契約期間の途中で乗り換えられるサービスも始めた。小寺信也社長は「商品構成を見直したことで盛り返し、緊急事態宣言明けの顧客にヒットした」と分析する。
20年9月末時点で累計申込数は約9,000件。年間520万台といわれる新車販売と比べ市場はまだ小さいが、それでも期待するのはこれまでの販売店経由では集められなかった潜在客のニーズに応えられるからだ。

非接触型の接点づくりに注力

8月にウェブページでチャット形式の問い合わせ窓口を公開し、10月1日にはキント専用コールセンターを正式に立ち上げた。当初、コールセンターは外注で複数企業の業務を請け負うため電話担当者の商品知識などが不足する面があった。専門部隊化し、「従来より一歩踏み込んで顧客と対話できるようになり、販売の力になっている」(小寺社長)。
Webでの申し込みが全体の3分の2を占め、さらに増加傾向にある。Webの顧客層は20~40代と、トヨタ販売店の中心顧客の50~60代よりも若いのが特徴だ。
KINTOの場合、インターネット経由での契約のうち6割が初めてトヨタ車に乗る人だという。販売店に行くと新車購入を勧められるのではないかと敬遠していた人が多いのが特徴だ。保険の手続きが不要でネット経由で申し込めるなど、サブスクならではの手軽さで新たな顧客を開拓する。
これらの施策が若者に支持され、申込件数はサービスを始めた19年3月から9カ月間で約1千件にとどまっていたが、20年9月末までに約9千件に達した。

トヨタ、ホンダに続き三菱自も参入

車のサブスクは日産自動車ホンダなど自動車各社が参入している。トヨタが自動車大手に先駆けて国内市場での認知を高めたことで、車の新たな利用の仕方として浸透しつつある。ホンダは9月、埼玉県の1店舗のみだった中古車サブスクサービスを愛知県でも始め、年内には北海道や大阪などでも展開する。日産も10月時点で関東や東海など約30都道府県で展開し、全国に広げている。
三菱自動車も月額課金サービス「ウルトラマイカープラン」を10月に開始した。対象は多目的スポーツ車(SUV)「アウトランダーPHEV」など7車種で、車両本体に加え税金や自動車保険、ドライブレコーダーの費用などが月額の利用料金に含まれる。
例えば利用者の年齢が22歳で契約期間5年、軽自動車「ekワゴンG」の場合では月2万8930円。新車を購入して同期間乗った後に下取りに出したケースと比べ、総額23万7100円安くなる計算だ。20~30代など「車を持つことに抵抗がある人に使ってもらいたい」(同社)としている。

車のサブスク 今後の展望は

ただ、サブスク型も万能のサービスではない。米ゼネラル・モーターズは17年に米国内で高級車「キャデラック」を月額1800ドルで貸し出すサービスを始めたがスタッフが顧客の元へ直接貸し出しに訪れるといった手間とコストがかさみ、18年に一時サービスは休止した。日産自動車は契約から納車までをオンライン上で手続きできるサービスを提供するが、「緊急事態宣言下の地域でニーズはあったが件数は多くない。選択肢のうちの一つとして提供している」と慎重だ。シェアリングや電動化などの変革の波が自動車業界に訪れているとはいえ、新たなサービスが受け入れられるには時間がかかる。先行投資と割り切り、販売手法を思い切って見直せるかどうかが問われそうだ。

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