2020年ニュース

トヨタ販売店でファッションのシェアリング|カーシェア×ファッション

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クルマもファッションもシェアリングするサービスが登場した。仕掛けたのはトヨタの販売会社、トヨタカローラ中京(名古屋市)。本社に隣接する施設「モビリティゲート吹上」でファッションレンタルサービス「EDIST. CLOSET」とコラボレーションした「おでかけクローゼット」を、2020年9月17日から展開する。ゆくゆくは、ファッション以外の分野との連携も図り、顧客体験のシーンを増やしていく。

トヨタカローラ中京が始めたのは「おでかけクローゼット」というファッションのシェアリングサービスだ。カーシェアリングに洋服レンタルを組み合わせて新たなモビリティーの楽しさを提供する。トヨタ自動車のカーシェアサービス「トヨタシェア」に、エディスト(東京・渋谷)のファッションレンタルサービス「エディストクローゼット」を組み合わせて提供する。また、東海エリアのローカルマガジン『KELLy』がクルマと洋服に合わせてお出かけコースを考案。お出かけが一層楽しめる体験を提供する。

予約したアイテムはモビリティゲート吹上で受け取る

おでかけクローゼットを利用する場合は、専用サイトにアクセスし3種類の洋服セットの中から借りたいセットを選択して利用日を予約する。予約日にモビリティゲート吹上の受付カウンターで服を受け取り、施設内に設置した専用のフィッティングルームで着替えることができる。カーシェアを利用する場合は、トヨタシェアのアプリで、利用日と場所(モビリティゲート吹上)を指定してクルマを予約しておく仕組みだ。着用したアイテムは、10日以内にモビリティゲート吹上で返却する。利用料は、10日間で1セットあたり5000円(税込み、クリーニング代込み)。これにカーシェアの料金が加わる(半額キャンペーンも同時展開)

新しい価値提案を模索するディーラー

たとえば、用意される車両は鮮やかな黄色(エアーイエロー)の『シエンタ』。普段は乗らないような色、所有を考えたら選択しにくいクルマでも、ハレの日の外出や旅行ならばと、あえて特徴のある車とプランを提供している。
このように目的とターゲットを絞っているので、サービスコンセプトはわかりやすい。だが、逆にいえば市場がピンポイントになりやすく、新しい挑戦としてはハードルが高くなる傾向は否めない。
実際、申し込み者のアンケートでは「コンセプトは面白いが、新しすぎてハードルが高い」という声もあった。しかし、手応えはあるそうだ。まず協力を仰いだEDIST.CLOSEは、ネット専門でファッションレンタルを展開していたが、認知度の課題があったところ、今回のコラボは顧客リーチを広げると歓迎された。顧客との接点が増えるという点では、ディーラー側も同様だ。
若者のクルマ離れが進み、全体の市場が縮小していくなかで、クルマ販売だけでは生き残っていけないディーラーの新たな挑戦はこれからも続いていくだろう。

自動車販売店の枠を超える「モビリティゲート吹上」

モビリティゲート吹上は20年1月にオープンした施設で、(1)モビリティー社会について情報発信する(2)地域とのつながりに貢献する(3)企業同士のつながりを強化する(4)お客様とのつながりを強化する――という4つの機能があり、クルマを軸にした幅広いモビリティー文化を実感できる商品やイベント、サービスを提供している。例えば、レース仕様車の展示会やカーレースチームとのトークショー、子供向け防災教室・英会話教室、高齢者向けスマホ教室・安全運転講習、音楽演奏会、就職説明会などだ。

トヨタカローラ中京でモビリティーソリューションを推進するバリューチェーン推進部担当の村木正人取締役は、「若者のクルマ離れという逆風が吹く中で、販売店はクルマを売って修理して保険でサポートするというバリューチェーンを提供しているだけでは生き残れない。自動車販売店の枠を超えて、ビジネスのやり方を変えていかなければならない。おでかけクローゼットとカーシェアの組み合わせは、モビリティゲート吹上が担う4つの機能に合致しており、この新サービスでモビリティーの楽しさを伝えて、われわれのファンを増やしていきたい」と、新サービスの狙いについて語る。

エディストは、「クローゼットをすっきりとさせ、断捨離のその先へ」をコンセプトに掲げ、女性向けにファッションのサブスクリプション(定額課金)型の商品を直接消費者に届けるD2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)サービスを提供し急成長している会社だ。今回、エディスト側が、愛知県に利用者が多いことと、試着したり着替えたりできるフィッティングルームとしてモビリティゲート吹上を利用できることに魅力を感じたのも、提携に結び付いた大きな理由だという。

https://closet.edist.jp/

ライフスタイル提案型のディーラーへと舵をきる

おでかけクローゼットは、ひとまず20年12月末まで実施する計画だ。それまでに蓄積できたノウハウを基にして次の展開に結び付けていく。「従業員に対しては、会社が目指す方向性を既に示せたことで、意識改革につながったと考えている。対外的には、ファッション以外のものをカーシェアと組み合わせることをイメージしている。たとえば釣り、キャンプ、スキー・スノボのようなレジャーと『ランクル』などSUVの組み合わせ、『スープラ』のような尖ったクルマの活用など、ライフスタイルとシェアリングによって楽しめる新たな価値を提供できるのではないかと考えている」と村木取締役は明かす。

同社が目指しているのは、まさにライフスタイル提案型の次世代移動サービスと言えそうだ。

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