2020年ニュース

MaaS×不動産 代表的な取り組み3選

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全国各地で導入に向けた取り組みが進められているMaaS(Mobility as a Service)。異業種参入も盛んで、その急先鋒の1つが不動産だ。移動サービスを完備することで、不動産の価値向上や持続可能な地域づくりを図っている。

■日鉄興和不動産:モネ・テクノロジーズ開発アプリでマンション向けMaaS実証

マンション向けMaaS 日鉄興和不動産、モネと実証実験: 日本経済新聞

日鉄興亜不動産とMONET Technologiesが新たにマンション向けMaaSの実証実験を始める。人気が下がりつつある郊外物件の新たな付加価値を創ることが狙いだ。葛西駅から徒歩18分のマンションで開始する。
日鉄興和不動産は2020年2月、東京都内で自社開発した分譲マンション向けのMaaS「FRECRU(フリクル)」の実証実験を開始した。マンション向けMaaSの利用ニーズや行き先、最適オペレーションなどの検証を進めていく。
同社は2019年6月、MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)のMaaS事業向け企業間連携組織「MONETコンソーシアム」に加盟。MaaS領域の研究に本格着手し、マンション立地や交通インフラ、マンション専用シャトルバスの在り方などを検討してきた。
実証では、モネ・テクノロジーズの配車プラットフォームと乗車予約ができるスマホアプリを利用し、専用マイクロバスをオンデマンド方式で運行する。乗降ポイントは、駅や病院、公園など当初11カ所を設定し、要望を踏まえて見直しを図っていく。
マンション住民は、利用10分前までにスマホアプリで予約し、予約確定後、予約時間に到着したバスドライバーに名前を伝えて乗車する。複数の配車リクエストがあった場合は、自動設定される最適ルートで目的地に向かう。利用料は乗車1回につき300円で、支払いには事前購入制のチケットかPayPay(ペイペイ)決済を利用する。実験期間は6カ月から1年程度を予定している。
同社はこの実証実験を通じ、マンション向けMaaSの利用ニーズや行き先、最適オペレーション、MaaS導入によるマンション向けモビリティの採算性向上について検証する。
また、周辺施設との連携や車内広告配信、運行休止日の車体を活用したバスツアー企画など、さらなる付加価値向上策を検討し、結果を踏まえ他の新築マンションとの連携や当社物件の集中するエリアでの複数物件へのサービス提供など、サービスエリアの拡大も検討していく方針としている。

■三井不動産:MaaS Globalと提携 柏の葉キャンパスエリア

&Smart 柏の葉スマートシティ|三井不動産 ESG/サステナビリティ

三井不動産は2019年4月、MaaSの生みの親とされるフィンランドのMaaS Globalに出資し、MaaS実用化に向けた協業に関する契約を締結したと発表した。スマートシティ化などで深く関与する千葉県柏市の柏の葉キャンパスで2020年中にも実用実証を開始する予定だ。
同エリアでは、三井不動産や東京大学生産技術研究所次世代モビリティ研究センター、BOLDLY、ヴァル研究所、先進モビリティらが「柏ITS推進協議会」を構成し、地域や市民と連携した実証フィールド次世代環境都市を目指しスマートシティ化に向けた取り組みを推進している。
国土交通省が選定するスマートシティモデル事業・先行モデルプロジェクトの一環として、先進モビリティらが2019年11月からつくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅から東京大学柏キャンパス間の一部区間で自動運転バスの営業運行実証実験を実施するなど、次世代モビリティの実装に向けた取り組みも盛んに行われているエリアだ。
MaaS展開においては、カーシェアやタクシー、バスなど地域の交通事業者とすでに提携しており、交通サービスの統合にとどまらずエリアの物件やまちの行事、観光スポットも含むシームレスな移動体験の提供を目指すとしている。
2020年中にフィンランド発のMaaSアプリ「Whim(ウィム)」を導入し、柏の葉アーバンデザインセンター(UDCK)をはじめとしたさまざまなパートナーとともにプロジェクトを開始し、数カ月後には月額定額制(サブスクリプション)の実現も目指す方針だ。

■東急不動産:竹芝開発エリアやゴルフリゾートでMaaS実証

東急不動産、東京ポートシティ竹芝に20種類以上のITサービスを導入 ...

東京都港区の竹芝地区で「東京ポートシティ竹芝」を開発する東急不動産は2019年10月、東京都の「MaaSの社会実装モデル構築に向けた実証実験」への参加が決定したことを発表し、竹芝エリアで同年12月から翌年1月にかけてモビリティサービスの実装に向けた実証実験を行った。
実証には同社のほかモネ・テクノロジーズや鹿島建設、電通、東海汽船、JR東日本、竹芝エリアマネジメントの7社が参加し、竹芝エリアの従業員向けオンデマンドモビリティサービスや通勤者・観光客向けマルチモーダルサービスの検証などを行った。
また、同年11月からは、リゾート物件におけるMaaSの導入実証も行っている。東京都渋谷と、千葉県大網白里市にある一般住宅地とゴルフ場の複合開発地「季美の森」に所在する「季美の森ゴルフ倶楽部」を結ぶMaaS実証で、タクシー相乗りアプリ開発を手掛けるNearMeが開発するシステムを活用し、相乗り用シャトルを運行する。ルーティング最適化アルゴリズム活用のもと、ユーザーが指定する場所へシャトルが迎車・送迎を実施する。

■【まとめ】MaaSが不動産価値に変化をもたらす

日鉄興和不動産のように特定の不動産に移動サービスを付加する取り組みや、三井不動産のように一定の商業ゾーンなどの移動を円滑にする取り組みなどさまざまなパターンがあるようだ。
移動の利便性向上は、立地の有利不利を緩和する役目を担う。MaaSの実装により駅近が一等地とされた時代が終わるわけではないが、郊外でも勝負できる時代が到来すると言える。
不動産価値に変化をもたらすMaaSの取り組みに引き続き注目だ。

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