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あのSONYがEV車「VISION-S」を国内で初公開。自動車業界に新風を巻き起こすか

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ソニーは2020年7月27日、自社開発のEV(電気自動車)を東京・品川のソニー本社で報道陣に公開した。車名は「VISION-S(ビジョンエス)」。日本国内では初披露の4人乗りセダンで、今年1月に米ラスベガスで開催されたデジタル見本市「CES」で発表されていた。

ソニーが開発したEV「VISION-S」

「VISION-S」はソニーのモビリティー関連の取り組みを具現化したEV初号車で、2018年春から約2年をかけて開発したEVのコンセプトモデルだ。同社が誇るセンシング技術を搭載し、自動運転にも対応しており、今後さらにSUVなど複数台を開発し、今年度内の公道走行試験を予定している。
車両の製作は、トヨタ自動車と独BMWが協業したスポーツカー「スープラ」など完成車の受託生産で実績を持つオーストリアのマグナ・シュタイヤーが手掛けた。独ボッシュや独ZFなど欧州のメガサプライヤー、米半導体大手のクアルコムやエヌビディアなどに参画してもらい、短期間での開発を実現した。

操作はスマホそのもの

 ソニーは「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)時代のクルマの姿を安全性とエンターテインメント性の両面から模索している。27日にソニーが披露した「VISION-S」は特にエンタメ性が強調されていた。
スマートフォンのアプリでカギを開けると、車体の前方からドア方向へ光が流れるように表示される。ドアが開くと帯状の白色LEDが車内を照らす演出でユーザーを出迎える。

スマートフォンのアプリや専用カードでドアの開閉が可能

車に乗り込むと目に入ってくるのが、ダッシュボードの全面を覆う3枚のディスプレー。両サイドの「デジタルミラー」を含め、視線をなるべく上下方向に動かさずに済むように設計されているという。

ダッシュボードはほぼ全面がディスプレーで覆われている
スマホに慣れたユーザーにとって違和感がないように設計されたUI(ユーザーインターフェース)はシンプルそのもの。メーンディスプレーはタッチ操作に対応し、ダッシュボード下のサブディスプレーをタッチパッドのように使える。「ホーム」や「ナビ」などの基本的な画面には物理的なボタンでも遷移できるなど、スマホのUIを意識した点が随所に見られる。
ソニーの本業でもある音響システムでは、座席のヘッドレスト部分にスピーカーを内蔵した。通常のスピーカーと組み合わせて360度から音を楽しめるようにしている。ソフトからハードまでを組み合わせてエンタメ性を高めたのはソニーの面目躍如といえる。

 

サブディスプレーでも操作できる

安全性が確保できなければ同じ土俵に立てない

ソニーはVISION-Sに、画像センサーや複数の対象物の距離を測定できるToF(Time of Flight)センサーなど33個のセンサーを搭載し、従来の車載センサーでは困難だった霧や逆光、夜間の雨中でも周辺環境を把握して安全性を向上させている。自動運転では、運転者が主体でステアリングや加減速をクルマがサポートする「レベル2」に対応する。
ソニーは今年の1月に、1年以内に日本や欧州で実際にナンバーを取得し、公道での走行試験をする方針を掲げていた。川西執行役員は「コロナの影響は多少あるが、スケジュール通りに進めている」と語る。
「まだまだ発展途上。公道を走らせて安全性能を含めた走行評価をしなければ同じ土俵には立てない」と川西執行役員。VISION-Sを軸に、自動車市場で勝負をかけるソニー。自動車メーカーやメガサプライヤーに対して存在感を発揮するためにも、この半年が一つの勝負といえる。
こうしたソニーの動きからは、自動運転で走行する静かなEVの車内でエンターテイメントを大画面・高音質で楽しむ時代がすぐそこまで来ている事を感じさせるとともに、「VISION-S」のようなEVが実力派エンジニアリング会社とのコラボにより、あっさり具現化されてしまうことを考えると、既存自動車メーカーもうかうかしていられないかもしれない。

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