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コロナ禍でもホンダの見通しは強気だ

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交通環境の複雑な「市街地」での自動運転実現に向け、ホンダが海外企業 ...

2020年度第1四半期決算および通期見通しを発表

ホンダは2020年8月5日、2021年3月期の連結業績見通し(国際会計基準)が売上高で前の期比14%減の12兆8000億円、営業利益で68%減の2000億円になりそうだとの見通しを発表した。

〈発表の概要〉
 第1四半期は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、世界的に景気は停滞し需要は大幅減少、全ての拠点で生産や販売活動に影響を受けたことにより、減収減益
今年度の業績見通しは、新型コロナウイルス感染症の拡大影響により先行き不透明であるものの、収益改善に向けた全社横断的な取り組みを一層強化し、営業利益は2,000億円、税引前利益 3,650億円を計画
 第1四半期配当金は対前年同期17円減の1株当たり11円、年間配当金は1株当たり44円を計画

詳細:Honda投資家情報サイト
https://www.honda.co.jp/investors/library/financialresult.html

 

コロナ禍でもR&D投資は過去最高

21年3月期通期の四輪車販売は前の期比6%減の450万台の見通し。中国での市場刺激策など、足元の販売が持ち直していることが他メーカーに比べて強気の予想を維持する一因となっている。
4~6月期で62.3%減と大きく落ちこんだ二輪車の販売も、ベトナムやタイなどでは「コロナの影響を受けていない」(倉石誠司副社長)こともあり年後半に向け回復を見込む。「インドやインドネシアはもともと採算が悪いので台数減は収益には大きく響かない」(証券アナリスト)との見方も今期の黒字予想を後押しする。
とはいえ営業利益ベースでは約7割の大幅減益となる通期見通しのなかで見逃せないのが、研究開発支出の増加だ。新型コロナウイルスの影響により販売面で大きな影響を受けるなかでも、今期は前期比5%増の8600億円と増やす方針だ。水準も過去最高となる。

売上高に対する研究開発費の比率も6.7%と前の期に比べて1.2ポイント上昇し、同4.6%の見通しのトヨタ自動車に比べても2ポイント高い。自動運転や電動化で何とか生きていかなければいけない危機感が研究開発費の増加にはにじんでいる。
「将来への仕込みはメリハリをつけて粛々と進めていく」。5日、オンライン記者会見したホンダの倉石副社長はこう述べた。しかし、「メリハリ」「粛々」という言葉から想起されるような、身をかがめて嵐が過ぎ去るのを待つ姿勢と、研究開発費を積み増す姿勢は大きな差があるようにみえる。
21年3月期の業績見通しを発表した自動車各社は、08年のリーマン・ショックの際に「出血を止めるため(開発を含めた)全てを止め、必要な筋肉も落としてしまった」(トヨタの豊田章男社長)との反省から前年度と同水準の研究開発費(1兆1000億円)を見込むトヨタを除き、研究開発費の削減を余儀なくされている。

技術研究所の四輪事業部門を本社に統合

ホンダは強気だ。その背景の1つには、設立から60年にわたり研究開発を一手に担ってきた本田技術研究所の役割の変化があるといえるだろう。今年4月、ホンダは不可侵と見なされていた本田技術研究所の四輪事業部門を本社に統合し、新しい組織運営に踏み切った。「研究所は革新と量産前提の開発の両方を担っていた。規模が大きくなると革新の領域が弱くなる」。八郷隆弘社長は5月の記者会見でこう述べている。量産前提の開発をホンダ本体に取り込むことで、研究所が持つ革新に向けた開発機能を取り戻したいという狙いだ。
増やす研究開発費の領域も「自動運転や電動化などの技術領域が中心」(ホンダ広報)。新技術を量産車に取り込まないと消費者に訴求できない現状があるため、研究所と本社が開発する領域の切り分けは容易にできないが、研究所が担う先進領域を重視しているが故の研究開発費増というメッセージが読み取れる。

八郷社長は「生まれ変わった研究所への投資は諦めない」と語った

「生まれ変わった研究所への投資は諦めない」。八郷社長はこうも述べている。若手技術者の流出もささやかれる研究所の現状だが、技術の実験場ともいえる自動車レースのフォーミュラ・ワン(F1)を担当する浅木泰昭執行役員は「若い技術者に勝つ体験を身につけさせたい」と現場を鼓舞し続ける。
コロナ禍により4カ月遅れで開幕したF1では王者メルセデスに勝てていないが、3戦連続で表彰台に立つなど健闘を続けている。世界の高い壁に跳ね返されても挑戦を続け、世界の頂点に立ったホンダの創業来の魂でもある。
自動運転や電動化といった将来技術は、電気自動車(EV)で米ゼネラル・モーターズ(GM)と組むように、ホンダがこれまで維持してきた独立路線だけでは生きていけない領域かもしれない。「負けるもんか」。かつてホンダはこんなキャッチフレーズを使ってテレビCMなどを展開していた時期があった。販売、利益が減っても、あえて増やす研究開発費には、ホンダが生きていく道筋を示したい経営陣の「負けるもんか」の意気込みが垣間見える。

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