2020年ニュース

トヨタMaaSアプリ「my route」横浜でも提供開始

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神奈川県内のトヨタ自動車販売会社2社などはトヨタの交通系アプリ「my route(マイルート)」の展開に合わせて、共同出資会社を設立した。横浜市でレンタカーやシェアサイクルなど様々な交通手段を組み合わせた乗り換え情報を提供する。公共交通機関を使わない移動も提案し、自動車需要の開拓にもつなげる。

my route(マイルート)とは?

my routeは、さまざまな移動手段を組み合わせたルート検索や一部予約・決済を行うことができるMaaSアプリだ。
西日本鉄道とともに2018年11月に福岡県福岡市で実証実験に着手したのが始まりで、タクシー配車サービスを手掛けるMobility Technologies(旧JapanTaxi)やシェアサイクルサービスを手掛けるメルカリグループ、駐車場予約アプリを手掛けるakippaなどの各サービスやエリアの店舗・イベント情報などを連携し、マルチモーダルモビリティサービスとして展開を始めた。
1年間の実証期間でアプリダウンロード数は約3万件に達し、利用後アンケートでも約8割のユーザーが「満足」と回答するなど好評を得たようだ。
2019年11月には、JR九州参画のもと福岡市と北九州市で本格実施を開始した。トヨタのレンタカーやカーシェア、京王電鉄バス、第一交通産業などの各サービスが連携したほか、トヨタのキャッシュレス決済アプリ「TOYOTA Wallet」を導入するなど電子決済手段も拡充している。
2020年1月の発表では、2020年春頃に横浜市、熊本県水俣市、続いて宮崎県宮崎市・日南市に展開するなど順次サービスエリアの全国拡大を図るとしており、これまでに水俣市でサービスを開始している。
宮崎市では、宮交ホールディングスらが「宮崎県における観光型MaaS実証実験実行委員会」を組織し、この中でmy routeを活用した実証実験などを行う予定としている。

my route(マイルート)の横浜版が開始

トヨタ自動車が「マルチモーダルモビリティサービス」と称して展開する、スマートフォンアプリ「my route」の横浜版のサービスが、7月22日(水)から提供される。
これは、利用者が目的に応じて行きたい場所を選択でき、その移動手段が複数提示され、さらに予約や決済までをスマートフォンで完結できる、といったコンセプトのアプリだ。鉄道やバス、タクシー、自転車など、あらゆるモビリティ(移動)をひとつのサービスと捉える概念「Mobility as a Service」、略して「MaaS(マース)」の取り組みのひとつといえる。

サービスは横浜臨海部を中心に展開。AからB地点までのルート検索に対し、鉄道やバスだけでなく、タクシーやカーシェア、シェアサイクルなど、街に存在する様々な移動手段を組み合わせた検索結果が提示される。検索時に人数を入力することで、たとえば「電車だけで移動するよりも、電車とタクシーのほうが100円高いが10分早く移動できる」といったこともわかる賢いアプリだ。
このうちバスについては、横浜市営バスと地下鉄ブルーラインのフリー乗車券「みなとぶらりチケット」などのデジタル版をスマートフォン上で購入できるほか、タクシーも配車アプリと連携することで、配車から決済まで行える。シェアサイクルも「my route」で予約から決済まで可能。カーシェアについては「my route」から提供各社のホームページにリンクするが、駐車場の予約と決済はアプリ内で完結する。
さらに、横浜臨海部の回遊性を高めるため、イベント情報やスポット情報、地元商店街の情報もアプリ上に提示。テイクアウトができる店や、そこまでの移動手段も検索可能とのこと。また、横浜ならではの移動手段として、水上交通などとも連携している。
地元の交通に関わる事業者や商店などと、ひとつひとつ連携し、様々なデータをアプリに集約することで実現したサービスだが、これら事業者に話を付けていったのは、神奈川のトヨタ販売店だ。

トヨタのアプリにライバル日産も連携

「my route」によるマルチモーダルモビリティサービスは、これまで福岡市、北九州市、水俣市で導入され、横浜市が4例目となる。福岡などでは西日本鉄道という地場の交通事業者が主たるパートナーとして事業を進めてきましたが、今回は、KTグループとウエインズグループという、神奈川のトヨタ販売店を束ねるふたつの親会社どうしが共同出資して設立した「アットヨコハマ」という会社が運営する。
もともと、横浜市が臨海部において「移動自体が楽しく感じられる多彩な交通サービス」を公募し、それに採択された「神奈川県オールトヨタ販売店」の案として、トヨタが開発した「my route」のサービス展開に向けた準備を2年半かけて進めてきたとのこと。「my route」の開発担当であるトヨタの天野成章氏は、次のように話す。
「トヨタはあらゆるモビリティサービスを手掛ける会社を目指しています。それらひとつひとつを生活者に選んでもらうには、その人のニーズに合ったものを提示する必要があるのです。そのためのステップゼロとして、『あらゆる移動手段をひとつにするインターフェイス』がどうしても必要でした」(トヨタ自動車 天野氏)
また今回は、レンタカーおよびカーシェアのサービスで、日産レンタカーと日産「e-シェアモビ」が連携していることも特徴のひとつ。ライバルである日産が連携していることについては、記者からも質問が飛んだが、トヨタだけの取り組みにする気は毛頭なく、横浜の日産本社へ正面から話をしに行ったとのこと。日産も「こうしたサービスはやらないといけないと思っていた」と、とんとん拍子でまとまっていった。
KTグループの上野社長は今回の事業について、「地域の生活者によりよいサービスを提供することが目的であり、必ずしも儲けにはならない」と話す。事業化に向けた準備のなかで、「地域の人の話を聞けたのが何よりの財産」とのこと。新会社であるアットヨコハマの今後については、今回のサービスから発生する様々な情報を活用して収益事業の展開を視野に入れている。

まとめ:業界の垣根を超えたモビリティ社会

自動車メーカーが主体となった本格的なMaaSプラットフォームの提供は独ダイムラーなどが先行しているが、トヨタのmy routeは全てのモビリティ事業者や地域との連携を意図したものとなっており、トヨタが掲げる「Mobility for All~すべての人に移動の自由と楽しさを~」を体現する取り組みと言える。
今後、エリアの拡大とともに注目が高まるのが、ソフトバンクとの合弁MONET Technologies(モネ・テクノロジーズ)の存在だ。同社はMaaS連携を念頭に業界の垣根を越えてモビリティイノベーションを起こす「MONETコンソーシアム」を有し、加盟企業は2020年7月時点であらゆる業種593社を数える。
将来、あらゆるサービスが結びつき、新たなモビリティ社会を創造していくことに注目したい。

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