2020年ニュース

アフターコロナのMaaS|電動キックボードは普及するのか?

投稿日:2020年6月17日 更新日:

自由民主党のMaaS推進議員連盟は2020年6月、電動キックボード事業者出席のもとマイクロモビリティPT(プロジェクトチーム)を開き、電動キックボードの規制緩和に向けた提言をまとめていくことを決定し、提言案を発表した。
2021年前半を目途に特例措置の在り方に一定の結論を求めることとしており、政府与党による後押しで電動キックボードの社会実装に向けた取り組みが加速するものと思われる。

「電動キックボードの普及に向けた規制緩和等に関する提言(案)」

電動キックボードは、欧米を中心に、手軽な交通手段として近年急速に普及しており、日本でも、ラストワンマイル問題を解決する手段の一つとして、その普及が期待されている。さらに、足下においては、新型コロナウイルス感染拡大を予防する「新しい生活様式」を定着させていくことが求められている中、オープンエアーで一人乗りの電動キックボードは、いわゆる「三つの密」を避ける有効なモビリティである。
しかしながら、日本では、電動キックボードが、道路交通法及び道路運送車両法(以下「現行規制」という)において「原動機付自転車」と位置付けられるため、道路運送車両法に基づく保安基準を満たした上で、道路交通法上、運転免許証を携帯し、かつ、ヘルメットを着用する場合に限り、公道走行が認められることとなっており、また、走行箇所も車道に限定されている。
こうした現行規制が新たな交通手段にそぐわないものとなり、電動キックボードのようなこれからのモビリティの普及を妨げているような場合は、安全性と利便性のバランスを十分考慮した上で、規制を緩和することが必要であるとの考えの下、関係省庁に以下の対応を求める。

・欧米並みの電動キックボードの普及を目指し、警察庁、国土交通省、経済産業省等の関係省庁が緊密に連携し、支援するとともに可能な限り早期に規制緩和を実現すること。
・電動キックボードのシェアリングに関し、本年秋頃より、電動キックボードが自転車専用通行帯を含めた公道で走行できるよう、生産性向上特別措置法(規制のサンドボックス制度)に基づく実証等を踏まえた上で、関係省令及び告示について、産業競争力強化法に基づく規制の特例措置を講じること。
・電動キックボードを更に普及させるため、上記の特例措置の状況を踏まえ、安全の確保に留意しつつ、国家戦略特別区域法に基づく運転者の要件、安全確保装置、走行場所等に関する特例措置について、令和3年前半目途に結論を得ること。

当日の様子。衆議院第1議員会館 1階 国際会議室にて

当日の様子。衆議院第1議員会館 1階 国際会議室にて

■マイクロモビリティ推進協議会のコメント

この提言を受け、電動キックボードの社会実装に向け関係事業者が組織したマイクロモビリティ推進協議会は、「日本においても公共交通機関を補完できる移動手段が求められており、マイクロモビリティの社会実装は急務。これまで各事業者は日本各地の私有地を活用して電動キックボードの意義と安全性を検証するための実証実験を行ってきたが、今後は電動キックボードの社会実装に向けた規制緩和の提言を軸に、規制の特例措置に基づいた実証実験の実施に向け引き続き事業を推進していく」とコメントを発表している。

【本協議会のこれまでの取り組み】


■現状の課題

電動キックボードは2輪~4輪でボードの上に持ち手となるハンドルと電動モーターが付いたコンパクトな低速モビリティだ。2輪で立ち乗りするタイプが主流だが、安定した4輪で座れるタイプなども登場している。
格安モデルは重量10キロ未満で最高時速30キロ未満、1回の充電で10~20キロメートルほど走行できるタイプが多い。シェアリング向けのモデルでは、50キロメートルほど走行できるものも開発されているようだ。
電動アシスト付自転車のようにコンパクトで手軽な交通手段として期待されており、駅から1キロ圏内の移動など、ラストワンマイルにもってこいのモビリティと言える。
その一方、法律上の扱いは「原動機付自転車」となっており、これが足かせとなって普及を妨げている。
電動キックボードは現行法上、原動機付自転車にあたるため、公道における利用には原付免許やヘルメットなどが必要なほか、前照灯や番号灯、方向指示器といった保安基準を満たし、ナンバーを取得して走行しなければならない。
ナンバーを取得してまで利用しようと思う個人がどれほどいるのか?と考えれば、普及の妨げになっていることは想像に難くないだろう。
今後、関係省庁の取り組みや研究が加速するとともに実証を行いやすい環境も整備され、社会実装に向けた各社の取り組みがいっそう盛んに行われることになりそうだ。

新たなパーソナルモビリティの本格実用化に期待したい。

-2020年ニュース
-, , ,

Copyright© 自動車業界最前線|MaaS・CASE , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.