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トヨタとNTTがスマートシティ事業で業務資本提携

投稿日:2020年4月3日 更新日:

左から、3月24日の記者会見に登壇したトヨタ自動車の豊田章男社長、NTTの澤田純社長=トヨタのライブ映像より

NTTとトヨタが業務資本提携

トヨタ自動車とNTTは3月24日、スマートシティビジネスにおける協業関係を構築することを目的とした業務資本提携に合意したと発表した。
トヨタの豊田章男社長は、共同記者会見で社会システムを人体にたとえた。自動車や家は「筋肉」「骨」、通信は情報を流す「血管」であり、なかでもNTTは「大動脈」で、その根幹を担っている、と述べ、提携の重要性を説明した。
現在、先進的技術を活用した街づくり「スマートシティ」事業が世界で注目を集めている。

トヨタは今年1月のCES 2020で「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表。トヨタ自動車東日本 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用して、様々なパートナー企業や研究者と連携しながら、新たな街づくり(ウーブンシティWoven City)に向け、実証を進めていくことを明らかにした。一方、NTTも米国ラスベガスでスマートシティの実証実験を開始。最先端のAI、IoT、ICTリソースの総合マネージメント技術を活用し、事件や事故の迅速な検知・分析や予測、最適なICTリソース管理等を実現している。

「スマートシティプラットフォーム」を共同構築へ

これまで、両社はコネクティッドカー分野での協業を行ってきたが、各社が個々のプロジェクトに取り組むだけでなく、両社が一体となり、スマートシティ実現のコア基盤となる「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築・運営し、国内外の様々なまちに連鎖的に展開することが必要だとし、総額約2000億円の株式持ち合いによって業務資本提携を行うことを決定した。

スマートシティプラットフォームの概要は下記の2点。

1)住民・企業・自治体など向け価値提供のセキュアな基盤として、スマートシティのデータマネジメントと情報流通、これらに基づくデジタルツイン(まちづくりシミュレーション)とその周辺機能により構成される。

2)個々のスマートシティのプラットフォーム、および他のスマートシティのプラットフォームとの連携基盤としてプラットフォーム・オブ・プラットフォームを擁する。 

両社は今後、スマートシティにて、ヒト・クルマ・イエ、また住民・企業・自治体等に係る生活、ビジネス及びインフラ・公共サービス等の全ての領域への価値提供を行う「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築し、先行ケースとして、まずは静岡県裾野市東富士エリア(Woven City)と東京都港区品川エリア(品川駅前のNTT街区の一部)にて実装し、その後連鎖的に他都市へ展開を図っていく。

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「ライバル」NTTと手を組んだトヨタの野望

豊田社長の発言からもわかるように、トヨタはこれまでも「血管」である通信事業者を評価していた。というよりも、過去にはNTTのライバルを作るべく、奮闘してきた歴史がある。1980年代中頃、NTTの前身である日本電信電話公社の民営化により、通信事業への民間参入が可能になった。その波に乗って、トヨタなどが立ち上げたのが日本高速通信(TWJ)や、日本移動通信(IDO)だ。これが後に、国際電信電話(KDD)や、京セラ系列の第二電電(DDI)と合流し、KDDIへとつながっていく。現在もトヨタは、京セラに次ぐ、KDDIの第2位株主となっている。
さらにソフトバンクとのつながりもある。19年1月に合弁会社となった「MONET Technologies(モネ・テクノロジー)」は、ソフトバンク35.2%、トヨタ34.8%。MaaS(ICTを用いて移動サービスを一元化すること)のデータを活用して、交通空白地や高齢化などの課題解消を目指すもので、今回のNTTとの協業にも重なる部分がありそうだ。

政府はスマートシティを、狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会に続く、「Society 5.0」(第5の社会)の場として位置づけている。織機を源流として、日本を代表する自動車メーカーになったトヨタが、通信各社とのタッグで「街づくりの会社」になるトヨタの野望が動き出した。

 

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